Y-ΔとΔ-Y変換について

Y-ΔとΔ-Y変換について

はじめに

抵抗値のY-ΔとΔ-Y変換は、直流回路だけでなく三相交流回路においても使用される重要な概念である。なので、その公式についてはある程度形を覚えておくべきである。本記事では、手計算でも出来るが、Sympyというpythonのライブラリを用いてその公式の導出をしてみる。(電験受験者は、是非とも手計算でも公式を導出してみることをオススメする)

回路図

Δ,Yの回路図をそれぞれ以下に示す。

方程式

上の回路図で3端子のうちからそれぞれ2端子を選んで連立方程式を立てると以下の様になる。

これを手計算で解くのは難しいので、以下Pythonを用いた代数解析を行うことによって解を求める。また、解については対称性があるので、それを利用した方が計算自体は早くなる。

代数解析

Pythonを用いた代数解析によるプログラムを以下に示す。ただし、ライブラリはSympyを用いた。

ライブラリのインストール

pip install sympy

プログラム

import sympy as sp
sp.init_printing()
sp.var('R_a,R_b,R_c,R_ab,R_bc,R_ca') #変数、定数設定
#方程式提示
eq1=sp.Eq(R_ab*(R_bc+R_ca)/(R_ab+R_bc+R_ca), R_a+R_b) 
eq2=sp.Eq(R_bc*(R_ca+R_ab)/(R_ab+R_bc+R_ca), R_b+R_c)
eq3=sp.Eq(R_ca*(R_ab+R_bc)/(R_ab+R_bc+R_ca),R_c+R_a)


#デルタスター変換
print("デルタスター変換")

print(sp.solve ([eq1, eq2,eq3], [R_a, R_b,R_c])) 

#解の表示
#{R_a: R_ab*R_ca/(R_ab + R_bc + R_ca), R_b: R_ab*R_bc/(R_ab + R_bc + R_ca), R_c: R_bc*R_ca/(R_ab + R_bc + R_ca)}

#スターデルタ変換
print("スターデルタ変換")

print(sp.solve ([eq1, eq2,eq3], [R_ab, R_bc,R_ca])) 
#解の表示
#[(R_a*R_b/R_c + R_a + R_b, R_b + R_c + R_b*R_c/R_a, R_a + R_a*R_c/R_b + R_c)]




公式解

Δ-Y変換

まとめると、挟辺の抵抗の積/3辺の抵抗の和となる。

Y-Δ変換

まとめると、2辺の抵抗の積の和/対辺の抵抗となる。

まとめ

本記事では、Δ-Y変換では、挟辺の抵抗の積/3辺の抵抗の和となりY-Δ変換では、2辺の抵抗の積の和/対辺の抵抗となることを代数解析を用いて示した。この公式は暗記が必須であるが、ぜひ一度でもいいので手計算で証明してみることをオススメする。

参考文献



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