変圧器の効率と最大値について

はじめに

変圧器の効率の指標の一つに、規約効率と呼ばれるものがある。これは、出力を入力で割った値の事であるが、この様に、出力と入力を別々に求めてそれぞれを代入するという方法がとられる。この方法のメリットは直接負荷をかけることなく効率が求められるということである。ゆえに、変圧器の場合は、入力＝出力＋全損失といえるので、規約効率は出力/（入力＋損失）と表すことが出来る。本記事では、変圧器の規約効率を各負荷率で求めたのち最大値を求めて、その条件は、鉄損と銅損が等しい時であるということを検証する。

変圧器の規約効率

負荷率をαとした場合の規約効率について考察する。ただし、Piは鉄損として電流に対して不変とし（定数）,Pcは銅損として電流の二乗に比例するとした。

$\eta = \frac{\alpha VIcos\theta}{\alpha VIcos\theta+P_i+P_c}\\=\frac{\alpha VIcos\theta}{\alpha VIcos\theta+P_i+r(\alpha I)^2}\\=\frac{VIcos\theta}{VIcos\theta+(\frac{P_i}{\alpha}+\alpha rI^2) } \leq \frac{VIcos\theta}{VIcos\theta+2\sqrt{P_iP_c} } \\(\because P_i=P_c )$

上式により、規約効率は、鉄損と銅損が等しい時に最大になることが分かる。

プログラミング

さて、そのことをPythonを用いて示そうと思う。まず、以下の様なコードを書く。


"""複数のグラフを重ねて描画するプログラム"""
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import japanize_matplotlib
fig, ax = plt.subplots()

I = np.linspace(0, 10, 1000)
theta = 0
alpha = 0.1
V= 100
r=1.0

P_c = (I**2)*r
P_i = 10+0*I#定数配列と認識させるため

eta = (alpha*V*I*np.cos(theta)/(alpha*V*I*np.cos(theta)+P_c+P_i))*100




c1,c2,c3, = "blue","green","red",      # 各プロットの色
l1,l2,l3, = "効率","鉄損","銅損",   # 各ラベル

ax.set_xlabel('I')  # x軸ラベル
ax.set_ylabel('効率・損失')  # y軸ラベル
ax.set_title("変圧器の効率[%]") # グラフタイトル
# ax.set_aspect('equal') # スケールを揃える
ax.grid()            # 罫線
#ax.set_xlim([-10, 10]) # x方向の描画範囲を指定
#ax.set_ylim([0, 1])    # y方向の描画範囲を指定
ax.plot(I, eta, color=c1, label=l1)
ax.plot(I, P_i, color=c2, label=l2)
ax.plot(I, P_c, color=c3, label=l3)

ax.legend(loc=0)    # 凡例
fig.tight_layout()  # レイアウトの設定
# plt.savefig('hoge.png') # 画像の保存
plt.show()

これを実行すると以下の様な画像が出力されるはずである。