
金属線ぴ工事とは、金属製のベースとカバーからなり、事務所などの露出工事や金属管工事などと併用した配線工事に使用される工事方法です。
金属線ぴは幅5cm以下、肉厚0.5mm以上の樋(とい)で、中に電線を収めて敷設します。
解説の後に練習問題と解き方を掲載していますので、しっかり勉強していきましょう。
金属線ぴの施設が可能な場所
金属線ぴは、使用電圧が300〔V〕以下の配線で、屋内の乾燥した露出場所、点検できる隠ぺい場所に施設できます。
また、金属線ぴ工事では屋側に施設することは不可とされています。
金属線ぴの種類
金属線ぴには、1種金属線ぴと2種金属線ぴがあります。それぞれの特徴と用途をみてみましょう。
1種金属製線ぴ
1種金属線ぴはメタルモールジングともいわれ、事務所などの室内でコンセントやスイッチを設置する際にケーブルを収める線ぴで、幅が4cm未満のものになります。
壁や天井に露出配線できます。
2種金属製線ぴ
2種金属線ぴはレースウェイともいわれ、幅が4cm以上5cm以下のものをいいます。
天井のない車庫や倉庫で照明器具を設置する際に用いられる線ぴです。
金属線ぴ工事に使用できる電線
金属線ぴ工事には絶縁電線を使用します。ただし、屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は除きます。
金属線ぴ工事の施工方法
ここでは、金属線ぴ工事で行われる電線の接続、支持点間距離、接地など詳しい施工方法を解説します。
電線の接続
電線の接続はボックスの中で行います。金属線ぴの中では接続してはいけません。
ただし、2種金属線ぴを使用し、電線を分岐する場合、接続点を容易に点検できるように施設する場合、D種接地工事を施す場合は金属線ぴ内で電線の接続を行うことができます。
金属線ぴの支持点間距離
金属線ぴの支持点間距離は、1.5〔m〕以下になるように敷設します。
金属線ぴの接地条件
金属線ぴには、D種接地工事を施します。
・金属線ぴの長さが4〔m〕以下のものを施設する場合は接地工事を省略することができます。
・使用電圧が直流300〔V〕以下または交流対地電圧150〔V〕以下の場合で金属線ぴの長さが8〔m〕以下のものに簡易接触防護措置を施すとき、または乾燥した場所に施設する場合は接地工事を省略することができます。
試験に出題される問題を解いてみよう
【例題】同一敷地内の車庫へ使用電圧100〔V〕の電気を供給するための低圧屋側配線部分の工事として、不適切なものは次のうちどれか。
イ、600〔V〕架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)によるケーブル工事
ロ、硬質塩化ビニル電線管(VE)による合成樹脂管工事
ハ、1種金属製線ぴによる金属線ぴ工事
ニ、600〔V〕ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)によるケーブル工事
【解説】
金属線ぴ工事では、低圧屋側配線ができないこととなっています。
まとめ:金属線ぴ工事は300V以下の配線に限られている
今回は金属線ぴ工事について解説しました。1種金属線ぴはカバーがあり、事務所内などの露出配線に用いる、2種金属線ぴは車庫や倉庫など天井のない場所で使用されるのですね。
また、使用電圧は300〔V〕以下の配線に限られていますので、そこも覚えておきましょう。
練習問題を繰り返し解き、毎日継続して自信をつけましょう。

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