
がいし引き工事とは、がいしを造営材に取り付け、絶縁電線をがいしに支持する配線工事方法です。
解説の後に練習問題と解き方を掲載していますので、しっかり勉強していきましょう。
がいし引き配線の施工が可能な場所
がいし引き工事は、露出場所および点検できる隠ぺい場所で、それぞれ乾燥した場所、湿気・水気のある場所で施設が可能です。
がいしとは
がいしとは電線を電柱などの支持物や外壁などの造営材と絶縁する磁器製の支持物をいいます。
絶縁性、難燃性があり、絶縁電線を造営材に固定するために使用されます。絶縁電線は、バインド線を用いてがいしに固定します。
がいし引き工事に使用できる電線
がいし引き工事には絶縁電線(600Vビニル絶縁電線(IV線))を使用します。ただし屋外用ビニル絶縁電線(OW線)、引込み用ビニル絶縁電線(DV線)は除きます。
がいし引き工事の施工方法
ここでは、がいし引き工事での支持点間距離、電線相互および電線と造営材との離隔距離、他の配線・配管との離隔距離など、詳しい施工ルールについて見ていきましょう。
電線の支持点間距離
がいしとがいしの取り付け間隔は、電線を造営材の下面または側面に沿って取り付ける場合は2〔m〕以下です。また、はりから次のはりまで飛ばす場合は6〔m〕以下となります。
電線相互および造営材との離隔距離
電線相互間は6〔cm〕以上間隔をあけること、また電線と造営材との離隔距離は使用電圧300〔V〕以下の場合は2.5〔cm〕以上、300〔V〕を超える場合は4.5〔cm〕以上となります。
がいし引き配線と他の配線・配管との離隔距離
がいし引きの低圧配線は、弱電流電線や水管、ガス管と近接する場合、それらの電線・管と10〔cm〕以上離隔しなければなりません。また、がいし引きの配線が裸電線の場合は他の電線・管と30〔cm〕以上離隔する必要があります。
がいし引き工事の接地について
がいしは絶縁性が高いため、がいし引き工事では接地の必要はありません。
試験に出題される問題を解いてみよう
【例題】使用電圧100〔V〕の屋内配線で、湿気の多い場所における工事の種類として、不適切なものは次のうちどれか、記号で答えなさい。
イ、 点検できない隠ぺい場所で、防湿装置を施した金属管工事
ロ、 点検できない隠ぺい場所で、防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD管を除く)
ハ、展開した場所で、がいし引き工事
ニ、展開した場所で、金属線ぴ工事
【解説】
がいし引き工事は、展開した場所と点検できる隠ぺい場所で、いずれも湿気のある場所での施設が可能となっています。
また、金属線ぴ工事については湿気や水気のある場所での施設はできません。
まとめ:がいし引き工事は展開した場所と点検できる隠ぺい場所で敷設可能
今回はがいし引き工事について解説しました。複数の電路を平行して敷設する場合の電線相互の間隔は6〔cm〕以上あけること、また電線と造営材との離隔距離は使用電圧300〔V〕以下では2.5〔cm〕以上、300〔V〕を超える場合は4.5〔cm〕以上でしたね。
第二種電気工事士の筆記試験においては解説を読むことと練習問題を解くのを並行して進めるのが効果的ですすめです。毎日継続して自信をつけましょう。

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