汽力発電における復水器の役割

汽力発電における復水器の役割

汽力発電は、熱の落差を作ることによってタービンを回転させる発電方式である。つまり、飽和蒸気をさらに過熱した乾き蒸気を一気に復水器で冷却することで熱落差を作りタービンを回転させる。そこで、冷却時には海水を使用するために、汽力発電は原子力発電と同様に臨海部で多いとされる。

復水器の役割

復水器は、タービンから排出された排気ガスを冷却することにより、もとの水に戻す役割を果たしている。なので、復水器は、真空条件に近い方が熱効率が上がる。真空に近くするためには、水蒸気の圧力や温度を下げる必要性があるので、復水器の温度はなるべく低くするべきである。ゆえに、復水器によって失われる熱損失がすべてのサイクル過程の中で一番多いものと言える。

熱効率の上げ方

ランキンサイクル

最も基本となるサイクルは、カルノールサイクルに液体の状態も考慮したものであるランキンサイクルである。

再生サイクル

ランキンサイクルでは、タービンから排出される排気ガスの熱を有効活用することが出来ない。そこで、タービンから排出される蒸気の一部を抽気して、それを用いて、給水加熱器で給水を過熱することにより、熱効率を改善するというのが、再生サイクルである。

再熱サイクル

再熱サイクルは名前のように、一度高圧タービンから排出された排気ガスを再熱器によって加熱することで、低圧タービンを回転させるというものである。高圧用のタービンと低圧用のタービンの2つが必要なため、構造自体は複雑になるが、高い熱効率を保持することが出来る。しかし、デメリットとして、再熱が不十分だと、湿り蒸気による低圧タービンの腐食といった問題点がある。

再熱再生サイクル

上2つのサイクルを合体させたものが再熱再生サイクルである。

これにより高い熱効率が実現した。

コンバインドサイクル

LNGといったガス式の発電サイクルであるブレイトンサイクルと汽力発電を足し合わせた発電様式である。
まず、LNG発電により生成された、本来なら捨てられるであろう排気ガスによって水蒸気を加熱する。これによって、さらに、ランキンサイクルを動かそうといった発電様式である。メリットとして高い熱効率が挙げられるが、入り口温度を高温にしないと効率が悪くなるという環境温度に効率が依存してしまうというデメリットも存在する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB%E7%99%BA%E9%9B%BB

復水器を使用しない方式

復水器は熱落差を生み出すために、熱損失がサイクルの中で最も大きい。なので、排気ガスを復水器に接続せずに、温水プール用の水を加熱することや工場での利用に用いるといった取り組みもある。これを、コージェネレーションシステムという。

まとめ

復水器は、熱落差を生み出すという観点から、低温低圧で真空状態に近い方が望ましい。しかし、そのような性質から、最も熱損失が大きいといえる。また、冷却するのに大量の水がひつようなので、原子炉と同様に臨海部に多く存在する。近年は、地球温暖化や酸性雨といった環境問題から、LNG汽力発電など様々な汽力発電方式が考案されている。



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