
同期機の基礎
主任技術者が覚えておくべき回転機には、直流機、誘導機そして同期機があります。
本項では同期機の基礎について説明します。
同期機は回転磁界を発生させることで動力を得る仕組みで、原理は誘導機と同じで三相交流の回転
磁界によりトルクを発生させる方法です。
次に、トルクについて誘導機と同期機について比較してみましょう。
誘導機では、回転磁界の速度と回転子の実際の速度によって決まる「すべり」を用いることでトル
クを表すことができました。
一方で、同期機はすべりは定義できない(定義した場合は常に0)ので、上記の考察は使えないこと
になります。
ところで、同期機の出力を表す公式を知っていますか?
ここでδとは端子電圧Eと無負荷起電力(電圧)Vの位相差つまり相差角です。
さらにトルクは、機械的出力を角速度で割れば良いので、同期機のトルクは相差角によって決まります。
つまり、同期機は回転磁界と回転子の相対位置でトルクが決まります。
同期機の構造
次に同期機の構造について説明します。
同期機には同期発電機と同期電動機がありますが、まず同期発電機について説明します。
同期発電機
基本的には他の回転機と同じように、固定子と回転子から構成されており、以下の二つの種類があります。
1.回転界磁形
コイルを固定した電機子に収納して、ここの図に記してあるような界磁を回転させるものです。
2. 回転電機子形
固定子が界磁で、回転子が電機子になっています。つまり、1の逆です。
同期電動機
構造は同期発電機とほぼ同じです。
しかし、電動機の場合は同期速度まで回転させて置かないと始動ができません。(同期電動機の定義である、回転磁界と界磁の回転速度は同期していて等しいより)
なので、同期電動機を同期速度周辺まで、「別の方法で」回転させてから同期させる必要があります。これが同期電動機の難しい特徴の一つなので押さえて置きましょう。
なので、同期電動機の始動法は重要なポイントになります!!
始動法には幾つか種類があるのですが、今回は特に有名かつ重要な2つを説明します。ゆとりのある方は他の方法を、インターネットや書籍などで調べてみると良いでしょう。
自己始動法
界磁の磁極面にかご形の制動巻線が取り付けられており、これにより始動時にはかご型誘導電動機と同じ原理でトルクを得て始動します。始動時、電動機をかご型誘導機としてしまえば、「すべり」により停止していた状態から加速して同期速度まで持っていくことができますね。
始動電動機法
誘導電動機や直流電動機で三相同期電動機を停止した状態から回転させ徐々に加速させます。そして回転子が同期速度に近くなったら同期電動機の界磁巻線を励磁して電源に接続します。これによって電源側と電動機側が正確に同期するわけです。
電機子反作用は同期機でも発生し、その仕事に影響を与えます。
同期発電機の電機子反作用は、負荷の力率によって以下の種類があるので特徴を覚えておきましょう。
最後に、
増磁作用の例として有名な「発電機の自己励磁現象」についてみてみましょう。
フェランチェ効果と同様に「進み負荷の場合」に「電圧が上昇」してしまう現象です。メカニズムは、フェランチェ効果とは「異なり」、「進み負荷」による「増磁作用」によって端子電圧がどんどん上昇してしまいます
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