
はじめに
一次、二次遅れ系は、高周波数帯をカットしやすいという理由から、ローパスフィルタとしての利用が期待される。本記事では、ボード線図を用いた周波数によるゲイン解析をPythonで行うことにより、ローパスフィルターはどのようなゲイン線図になるのかを考察する。
一次遅れ系
一次遅れ系はRC回路といった回路で表すことが出来る。
これの、周波数伝達関数Gは以下の様になる。
ゆえに、伝達関数は以下の様になる。
少し電子回路に詳しい方なら分かると思うが、高周波数の入力が生じた場合、コンデンサが優位になるので、出力の利得が低下する。これが、ローパスフィルタの原理である。
さて、いよいよそれをPythonで書いてみよう。
python
# -*- coding: utf-8 -*- #一次遅れ系 from scipy import signal import matplotlib.pyplot as plt T=float(input("時定数を入力してください")) print("折点周波数における角速度:"+str(1/T)+"[rad/sec]") # 伝達関数の定義 num = [1] # 分子の係数 den = [T, 1] # 分母の係数 G = signal.lti(num, den) # ボード線図の計算 w, mag, phase = signal.bode(G) # ゲイン線図の描画 plt.subplot(2, 1, 1) plt.semilogx(w, mag) plt.ylabel("Gain[dB]") plt.grid() # 位相線図の描画 plt.subplot(2, 1, 2) plt.semilogx(w, phase) plt.xlabel("w[rad/sec]") plt.ylabel("Phase[deg]") plt.grid() plt.show()
これにより生じたボード線図を以下に示す。
これは、T=10[s]の時である。
二次遅れ系
次に、ローパスフィルタの性能を高めた二次遅れ系について紹介する。
二次遅れ系の伝達関数Gは以下の様に表すことが出来る。
これについて、ボード線図を描くプログラムは以下の通りである。
このプログラムを用いて描いたボード線図は以下の様になる。
ζ=0.2,ω_n=10[rad/sec]
python
# -*- coding: utf-8 -*- #2次元遅れ系 from scipy import signal import matplotlib.pyplot as plt jita=float(input("減衰係数")) omega_n=float(input("共振角周波数")) # 伝達関数の定義 num = [omega_n] # 分子の係数 den = [1,2*jita*omega_n ,omega_n**2] # 分母の係数 G = signal.lti(num, den) # ボード線図の計算 w, mag, phase = signal.bode(G) # ゲイン線図の描画 plt.subplot(2, 1, 1) plt.semilogx(w, mag) plt.ylabel("Gain[dB]") plt.grid() # 位相線図の描画 plt.subplot(2, 1, 2) plt.semilogx(w, phase) plt.xlabel("w[rad/sec]") plt.ylabel("Phase[deg]") plt.grid() plt.show()
まとめ
一次遅れ系や二次遅れ系はローパスフィルタとして利用される。今回は、ボード線図を用いてそれらの伝達関数が高周波入力になるほどに、出力が遅れて利得が下がるということを示すことが出来た。
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