電気設備技術基準への適合義務について

電気工作物は、法令で設置後の適切な維持管理が義務付けられています。
「適切な維持管理」とは、技術基準への適合です。
本項では、事業用電気工作物・一般用電気工作物に対しての電気設備技術基準適合に関して関連した法令を取り上げます。

電気事業法第三十九条には、電気設備技術基準に適合した維持管理がされるよう次のように定められています。

第三十九条
第一項
事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
第二項
前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。
1、事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷与えないようにすること。
2、事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
3、事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
4、事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあっては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。

この規定の目的は、電気工作物によって人や物に害を及ばさないようにすることです。
ここでは、対象(例:人体、物件など)や、害の内容(例:損傷、損壊、障害など)を正確に覚えておきましょう。

電気事業法第四十条では、技術基準に適合していない事業用電気工作物に関して定められています。

第四十条(技術基準適合命令)
主務大臣は、事業用電気工作物が前条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

事業用電気工作物においては、主務大臣が監督しており使用についても大きな権限を持っている=安全担保に対する国の直積的関与ということです。主務大臣が持っている権限の太字の部分は必ず覚えておきましょう。

次に一般用電気工作物です。
一般電気工作物の技術基準に関しては、電気事業法第五十六条に定められています。
事業用電気工作物とほとんど同じ内容ですが、主務大臣が経済産業大臣などの違いは覚えておきましょう。

一般電気工作物では電気事業法第五十七条で、調査の義務という項があります。
一般用電気工作物と直接電気的に接続された電線路維持運用者(電力会社)が経済産業省令の定めに基づいて技術基準に適合しているかどうかの調査を行う、というものです。頻度は一般住宅・商店・会社等は4年に1度であり、プールや幼稚園等の設備は年1回になります。

この点は事業用と明確な違いがあるので、覚えておきましょう。

技術基準の適合に関しては、事業用電気工作物と一般用電気工作物の違いを明確にすることが基本です。
他の項とも共通しますが、細かな用語の違いが問われます。時間をかけて各項目の目的を理解するようにしましょう。

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。