
今回は電気設備技術基準について解説します。正式には「電気設備に関する技術基準を定める省令」といい、電気工事を行う際に守るべき技術的なきまりで、第二種電気工事士の筆記試験に出題されるテーマです。
電路の絶縁抵抗値(使用電圧の区分)
それでは詳しく見ていきましょう。
電気設備技術基準とは設計・施工の最低限のルール
電気設備技術基準とは、周囲にある機器や人を守るために定められた技術的な基準です。電気設備を設計・施工するための最低限のルールで、電気工作物がある場所に適用されます。
電気工事をするときの施工方法や電気工作物に必要な性能の詳細は「電気設備技術基準の解釈」で規定されています。
電気設備技術基準の3つの要件
電気設備技術基準が求めている要件は、以下の3つです。
- ほかの電気的設備や物件に損傷を与えないこと
- ほかの電気的設備や物件の機能に磁気・電気的な障害を与えないこと
- 損壊によって電気の供給に著しい支障をおよぼさないこと
電気の需要場所において電気工作物や機器が安全に機能・運用されるために定められた技術的な基準ということになります。
電圧の種別 低圧、高圧、特別高圧の3つに区分される
電圧は低圧、高圧、特別高圧の3つの種別に区分されています。
「電気設備技術基準の解釈」とは施工の技術ごとの規定
電気設備技術基準の中で、施工の技術ごとの詳しい規定です。さまざまな規定がありますが、その中の主要な7点を解説します。
絶縁抵抗
低圧電路においては絶縁性能の保持が要求されており、高圧・特別高圧において絶縁性能は耐電圧で保持しなければなりません。
漏えい電流
漏えい電流とは電路以外に流れる電流で、大事故につながる恐れがあります。
大地に流れる電気を小さくする必要があり、電気設備技術基準では大地に流れる電流を1mA以下に保つことを規定しています。
金属管工事
電線を保護するための金属製の電線管です。電気設備技術基準では金属管の定尺長さを3.66mとしています。
接続
電線同士、あるいは電線と器具との接続部では電気抵抗を増やさないようにしなければなりません。また、絶縁性能の低下や断線が起きないよう適正な接続方法が求められます。
防爆
可燃物や可燃ガスの存在する場所では電気が原因で爆発を起こす恐れがあります。この爆発を防ぐために防爆構造規格が定められています。
内線規程
内線規定とは、電気の需要場所における電気設備の保安確保についての規定です。
保安のための設計・施工について記載されています。
ヒューズ規定
過電流による過熱焼損から電線や器具を保護する必要があります。
電流を多く流さないために過電流遮断器の設置施工を定めています。
まとめ
今回は電気設備技術基準について解説しました。電気設備を設計・施工するための最低限のルールで、周囲にある機器や人を守るために定められた技術的な基準でしたね。
第二種電気工事士の試験対策としては過去の問題を多く解き、解説を読むことで理解を深めましょう。毎日継続して自信をつけてください。
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