
金属可とう電線管とは、可とう性があり屈曲が容易な金属製の電線管です。金属可とう電線管に使用できる電線や造営材への取り付け、接地など施工のルールについて詳しくみていきます。
解説の後に練習問題と解き方を掲載していますので、しっかり勉強していきましょう。
金属可とう電線管の施設が可能な場所
1種金属可とう電線管は展開した場所または点検できる隠ぺい場所の、乾燥した場所で敷設が可能です。
また、2種金属可とう電線管は、すべての場所において施工ができます。ただし湿気の多い場所や水気のある場所では防湿装置を施す必要があります。
金属可とう電線管は2種類ある
金属可とう電線管には1種金属可とう電線管と、2種金属可とう電線管の2種類があります。それぞれの特徴をみてみましょう。
1種金属可とう電線管
1種金属可とう電線管はフレキシブルコンジットともいい、施工できる場所に制限があります。
2種金属可とう電線管
2種金属可とう電線管はプリカチューブともいい、使用場所に制限がないため、多くの現場で使われます。
金属可とう電線管に使用できる電線
金属可とう電線管工事に使用できる電線は絶縁電線(600Vビニル絶縁電線(IV線))で、より線(屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除く)、または直径3.2〔mm〕以下の単線です。
金属可とう電線管工事の施工方法
ここでは、金属可とう電線管工事で行われる電線の接続方法や支持方法、屈曲、接地など詳しい施工方法を解説します。
電線の接続
電線の接続は、必ずボックスの中で行います。金属可とう電線管内で接続してはいけません。
金属可とう電線管の支持方法
金属可とう電線管はサドルなどを用いて造営材に固定します。支持点間の距離は以下の表のようになります。
金属可とう電線管の屈曲
1種金属可とう電線管
曲げる内側の半径は管内径の6倍以上にします。
2種金属可とう電線管
曲げる内側の半径は管内径の6倍以上にします。
ただし露出場所または点検できる隠ぺい場所においては、内側の半径は管内径の3倍以上とすることができます。
金属可とう電線管の接続
金属可とう電線管相互の接続にはカップリング、金属管との接続にはコンビネーションカップリングを使用します。
また、金属可とう電線管とボックスとの接続には、ストレートボックスコネクタを用います。
コンビネーションカップリング
金属可とう電線管の接地条件
金属可とう電線管工事は、使用電圧に応じて接地工事を行います。
・使用電圧が300V以下で長さ4m以下の金属可とう電線管を施設する場合は接地工事を省略することができます。
・使用電圧が300Vを超える場合で接触防護措置を施すときはD種接地工事にすることができます。
試験に出題される問題を解いてみよう
【例題】低圧屋内配線の金属可とう電線管(2種金属製可とう電線管)工事で、不適切なものは次のうちどれか。
イ、 管とボックスとの接続にストレートボックスコネクタを使用した。
ロ、 管の内側の曲げ半径を管の内径の6倍以上とした。
ハ、 管内に屋外用ビニル絶縁電線(OW)を収めた。
ニ、 管と金属管(鋼製電線管)との接続にコンビネーションカップリングを使用した。
【解説】
金属可とう電線管工事では、絶縁電線(600Vビニル絶縁電線(IV線))で、より線を使用することとなっており、屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は用いることができません。
まとめ:支持点間距離と屈曲半径を覚えよう
今回は金属可とう電線管工事について解説しました。
- 屈曲の内側の半径は管内径の6倍以上(2種可とう電線管で露出場所または点検できる隠ぺい場所では3倍以上)
- 支持点間の距離は造営材に水平方向に取り付ける場合は1〔m〕以下、その他(垂直など)に取り付ける場合は2〔m〕以下
特にこの2つはしっかり覚えましょう。
練習問題を繰り返し解くことが効果的な学習方法です。毎日継続して自信をつけましょう。

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