
誘導機の基礎については別項で説明しましたが、本項では誘導電動機の入出力とトルクについて説明します。
誘導電動機では固定子巻線に電圧を加えると回転子に起電力が生じますが、この仕組みを回路図にすると、入出力についても理解しやすくなります。
この回路図の二次側を一次側に換算した等価回路に直すと以下になります。
この図をもとにすると、一次入力P1と二次入力P2を求める式は以下のようになります。
図からも分かる通り、二次入力は回転子巻線抵抗によって一部が損失として失われ、その損失を二次銅損といいます。
そして二次入力から二次銅損を引いたものが、回転子を回転させる力つまり誘導電動機の機械出力となり以下のように表します。
続いてトルクの説明をします。
トルクTと機械出力P、角速度ωは以下の関係で表せます。
トルクは既出の式を使うと二次入力P2と同期速度Nsから求めることもできます。
上の式から同期速度を一定にすると、トルクと二次入力は比例するので二次入力だけでトルクを表せます。この場合の二次入力を同期ワットといいます。
ここまでで誘導機の入出力について説明してきました。
最後に誘導電動機の効率です。
効率は入力に対する出力で表し、誘導電動機の場合入力は一次入力で出力は機械出力になります。
それで誘導機の効率ηは以下の式で求めます。
以上が誘導電動機の入出力・トルク・効率の説明です。
試験では本項で取り上げた計算式を使った問題が出ますが、いくつかの式を組み合わせて解く必要があるかもしれません。
式自体は簡単なのですぐ覚えられると思いますが、是非それぞれの要素の関係性もしっかり覚えるようにしましょう。

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