絶縁電線およびコードの許容電流について

第二種電気工事士試験合格講座、今回は絶縁電線およびコードの許容電流について解説します。電気工作物が安全に使用・運用されるために、電線の太さごとに許容される電流値が定められています。

 

電線の太さの最小は1.6〔mm〕
許容電流および電流減少係数

 

では早速これらについて、詳しくみていきましょう。

電線の太さは許容電流で決まる

電線の太さを決めるには、電線の「機械的強度」「許容電流」「電圧降下」を考慮する必要があります。屋内配線においては、電気設備技術基準解釈第146条「低圧配線に使用する電線」で、電線の太さの最小は機械的強度を考慮して、直径1.6〔mm〕と定められており、また住宅などの小規模な設備では、配線も比較的短いので、設計する際には許容電流のみを考慮すればよいこととなります。

さまざまな電線のうち、コードとは屋内で使用する300〔V〕以下の電灯器具や小形電気器具に取り付け、移動して使用できるように柔軟に仕上げた電線のことをいいます。

 

 

電線の太さごとの許容電流値

電線そのものにも抵抗があるので、電流が流れると熱が発生し電線の温度が上昇します。電線の温度上昇と電線からの放熱がバランスを保ち、電線の温度が一定の温度内に収まればその電線は支障なく使用できます。しかし絶縁電線に過大な電流が流れ続けると、電線の温度上昇で絶縁被覆の軟化や劣化が起こり、あるいは過電流が長時間流れ続けると絶縁被覆が燃焼を起こす可能性があります。つまり、絶縁電線やケーブルには、電線の太さ、絶縁物の種類、周囲温度、工事方法などにより、流せる電流に限度があります。この電流の値を許容電流といい、屋内配線に使用する低圧用絶縁電線の許容電流は、電気設備技術基準解釈第146条に定められています。

 

 

絶縁電線を電線管に収めて施工する場合

絶縁電線やケーブルを電線管に収めて電流を流すと、熱が放散されにくくなり絶縁被覆が劣化するなどの障害が起こる可能性があります。そこで、電線を電線管に収めて施工する場合は、許容電流よりもさらに電流を小さくします。

電線管などに絶縁電線を入れたときの許容電流は、電流減少係数を乗じます。

 

管内に収めた時の許容電流=単線またはより線の絶縁電線の許容電流×電流減少係数

 

 

 

試験に出題される問題を実際に解いてみよう

【例題】金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径1.6〔mm〕の600Vビニル絶縁電線5本を収めて施設した場合、電線1本あたりの許容電流〔A〕はいくらか。ただし、周囲温度は30〔℃〕以下、電流減少係数は0.56とする。

 

イ、15        ロ、17        ハ、19        ニ、27

 

【解説】
絶縁電線の許容電流の表より、直径1.6〔mm〕の電線の許容電流は27〔A〕です。この電線5本を電線管に収めたときの電流減少係数は問題文より0.56ですね。

計算は 27×0.56=15.12〔A〕 ・・・およそ15〔A〕

 

正解 イ

 

 

まとめ:電線にも抵抗があり発熱する

今回は絶縁電線およびコードの許容電流について解説しました。電線に電流を流すと、電線そのものが抵抗をもっているため熱を発生し、電流値が大きくなると被覆が軟化・劣化するなどの障害が起きる可能性があるのですね。そこでこれらの障害や事故を防ぎ、施工物が安全に使用・運用されるために許容電流が定められています。
これらを理解し、第二種電気工事士試験の学習では練習問題を繰り返し解くことで合格に近づけます。毎日継続して自信をつけましょう。



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