皮相電力、有効電力、無効電力について

電気エネルギーについて理解することは、電気主任技術者の基本的なことです。
直流回路の場合は電圧と電流の積がそのまま電気エネルギー(電力)となります。
しかし、交流の場合は少し複雑で、すべてのエネルギーが負荷の素子によってエネルギーとして消費されるわけではないのです。

本項では交流回路の電力、皮相電力・有効電力・無効電力について説明します。

有効電力とは、抵抗で消費されるエネルギーのことをいい、他のエネルギーとして使えます。
無効電力とは、コイルやコンデンサでの電力で、エネルギーが放出や蓄積されるので消費されないものです。
皮相電力とは、有効電力と無効電力を合わせたすべての電力のことをいいます。
それぞれ記号で表すと皮相電力S[VA:ボルトアンペア]・有効電力P[W:ワット]・無効電力Q[var:バール]となります。

正弦波交流と位相の項で説明したとおり、コイルやコンデンサには位相差が発生します。
コイルではπ2[rad](90°) 遅れ、コンデンサではπ2[rad](90°)進みます。
電流が電圧に対して遅れる・進むという意味です。
これは下記の図のようにベクトルであわらすこともあります。


ただし、この遅れ・進みは電流・電圧どちらを基準にするかで変わってきますので、注意してください。

電流の遅れ・進みがあるということは当然、有効電力と無効電力の間にも位相が発生します。
これを式で表すと下記になります。

S=VI[VA]

P=Scosθ=VIcosθ[W]

Q=Ssinθ=VIsinθ[var]

S2=P2+Q2

有効電力Pの式に含まれるcosθ力率といいます。
力率は回路全体の電力(皮相電力)のうち有効電力がどれだけあるかをあわらすものです。
電気設備では、この力率が良いほど電気が効率良く使われていると考えます。

試験対策としてはもちろん、設備のエネルギー効率はこの力率で測られるので実務に携わるときにも重要な理論です。
ここではまず、各電力の関係と式を理解し覚えておくようにしましょう。



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