
環状ソレノイドコイル鉄芯内部の磁界の強さと磁気オームの法則
オームの法則は皆様ご存じだと思います。直流回路でおなじみですよね。
一方で、電気と磁気は類似点が多い(以下の画像参照)ので、磁気の分野にも直流回路の考え方を適用したものが磁気オームの法則というものになります。
磁気オームの法則は、積分が必要なアンペールの法則を分かりやすくしたものと言うことも出来ます。以下に、電気回路と磁気回路のオームの法則の関連性を示します。
磁気回路 | 直流電気回路 | |
オームの法則 | ||
磁気抵抗/電気抵抗(通しにくさ) | ||
起磁力/起電力,電圧(圧力) | ||
磁束/電流(流れ) | ||
透磁率/導電率(通しやすさ) |
補足
電気回路
1)抵抗率[Ω・m]は導電率[S/m]の逆数であり、Sはジーメンスと呼ばれていて抵抗[Ω]の逆数である。
2)Ωをと考察すれば、電気回路と磁気回路の対応関係がより綺麗になるが、実用的ではないと思う。
磁気回路 | 直流電気回路 | |
オームの法則 | ||
磁気抵抗/電気抵抗(通しにくさ) | ||
起磁力/起電力,電圧(圧力) | ||
磁束/電流(流れ) | ||
透磁率/導電率(通しやすさ) |
磁気回路
1)磁束とは、磁場の流れのことであり、電気回路でいう電流に対応する。(起磁力と単位が同じなので注意する)
2)透磁率とは磁束の通りやすさ(流れやすさ)のことであり、電気回路の導電率に対応する。
3)Nはコイルの巻き数なので、単位は無い(巻き数1の何倍か?)ので起磁力の単位は[A]である。
環状ソレノイドコイルの公式の導出
それではここで、上の画像にあるような環状コイルの公式の導出をしてみようと思います。
ここでは、透磁率の鉄心が入っていると考えます。
(ちなみに、鉄の透磁率は、空気の約数千倍から数万倍もあります。
なので、からも分かるように強い磁束(密度)を生成することができます。)
磁気オームの法則より、
磁気抵抗を代入して、
ゆえに、
が成立します!!
次元解析(単位合わせ)
ではここで、どうして電界の単位が[N/C],[V/m]と2つあり同様に、磁界の単位も[N/Wb],[A/m]の2つあるのかを解説します!!
電界の単位の解説
電流[A]の定義は、1秒間あたりに、何[C]の電荷(電気量)が移動したかなので、
[C]=[As]
また、ジュールの法則と仕事の定義より、
[J]=[Ws]=[VAs]=[Nm]
ゆえに、
[N]=[VAs/m]
まとめると、
[N/C]=[(VAs/m)/As]=[V/m]
となり、示すことが出来ました!!
磁界の単位の解説
ファラデーの法則より、
ゆえに、[Wb]=[Vs]
電界の単位の時に導いた[N]=[VAs/m]を使用して、
[N/Wb]=[(VAs/m)/Vs]=[A/m]
となり、示すことが出来ました!!
このような単位の関係をこねくり回すことを次元解析と言い、様々な分野に応用されます。
ちなみに、有名ブログであるケンタさんの電験1種の棚卸しでも解説されています。
参考:1,2種レベルの知識
基本的な理論(アンペールとビオ・ザバールの法則)
a)マクロ目線:電流が流れると右ねじの法則により磁界が生じる(実は、その後磁界の変化を打ち消すように電界が発生している)→アンペールの法則
b)ミクロ目線:点電荷は静止しているだけだと電界は生じるが磁界は生じない。点電荷が動いた時に初めて、磁界が生じる。(その磁界がもしも変化すれば、電界が生じて、、、、)
→ビオ・サバールの法則
お決まり公式3パターンの導出について
1.直線導体の場合はアンペールとビオ・サバールの法則で導出する。
2.円形コイルの場合はビオ・サバールの法則する。(アンペールの法則でも出来るとおもいますがやり方は知らないです。ご存じの方がいたら教えていただけるとありがたいです)
3.ソレノイドコイルの場合は、アンペールの法則を使用した方が簡単に導出できる。単位長さの巻き数に注意する
以下に分かりやすい記事があったのでリンクを張っておきます!!

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