
第二種電気工事士試験の一発合格を応援する講座、今回は漏電遮断器の施設と省略について解説します。
低圧の機械器具 (乾燥した場所、接地工事)
漏電遮断器は、電気工作物が安全に運用されるためにどのような役割があるのか、また施設が必要な要件についてみていきましょう。
漏電遮断器が漏れ電流を検知し電流を遮断
漏電遮断器(漏電ブレーカー)とは、回路の漏れ電流を検知して自動で電流を遮断する装置です。
電子レンジや洗濯機など、電気機器の内部はさまざまな部品や電線で構成されており、それらは電気が外に漏れないように被覆などで絶縁処理されています。ところが、絶縁の劣化などにより電気が漏れると、人体への感電や火災などの事故を起こすことがあります。
漏電遮断器は漏電を検知し電路を遮断することで、これらの事故を防ぐ役割をもちます。
漏電遮断器を施設する要件
金属製外箱を有する使用電圧が60〔V〕を超える低圧の機械器具に接続する電路には漏電遮断器を施設するここと定められています。
漏電遮断器の施設を省略できる場合
漏電遮断器は、以下の5つのいずれかの場合に施設を省略することができます。
- 機械器具に簡易接触防護措置を施す場合
- 機械器具を乾燥した場所に施設する場合
- 対地電圧150〔V〕以下の機械器具を水気のある場所以外の場所に施設する場合
- 機械器具に施されたC種接地工事またはD種接地工事の接地抵抗値が3〔Ω〕以下の場合
- 電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具を施設する場合
試験に出題される問題を実際に解いてみよう
【例題】単相3線式100/200〔V〕の屋内配線工事で漏電遮断器を省略できないものは次のうちどれか答えなさい。
ロ、 小勢力回路の配線工事
ハ、 乾燥した場所の天井に取り付ける照明器具に電気を供給する工事
ニ、 乾燥した場所に施設した、金属製外箱を有する使用電圧200〔V〕の電動機に電気を供給する工事
【解説】
60V以上の屋内配線では、人が容易に触れるおそれがある電路には漏電遮断器を施設しなければなりません。
まとめ:使用電圧60Vを超える機械器具の設置で漏電遮断器が必要
今回は漏電遮断器の施設と省略について解説しました。電子レンジや洗濯機などの電気機器は、金属製の箱で覆われていますね。内部の電線や部品が劣化などで絶縁が保たれなくなった時、漏電遮断器が漏電を検知し電路を自動的に遮断します。これによって火災や感電などの事故を防ぐのですね。
また、試験対策としては問題を繰り返し解くことが効果的な学習です。毎日継続して自信をつけましょう。
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