
火力発電は、燃料を燃やして得られた熱エネルギーを電力に変換する発電方法で以下の3つの種類があります。
- 汽力発電
- 内燃力発電
- ガスタービン発電
汽力発電とは、熱によって発生させた蒸気でタービンを回転させて発電する方式です。
内燃力発電は、ディーゼル機関やガス機関を動力として発電する方式で、ガスタービン発電はその名の通りガスタービンを動力として発電する方式です。
内燃力発電やガスタービン発電は、どちらかというと小容量の発電に向いており大型の発電所ではあまり利用されない方式で、汽力発電が日本のメインの火力発電の方式となっています。
この3種類の方式は仕組みも似ているので、本項以降の火力発電の部分では汽力発電を取り上げていきます。
まずは汽力発電所の概要について説明しましょう。
汽力発電は、ボイラで蒸気を発生させる熱エネルギーと蒸気でタービンを回転させる機械エネルギー、その機械エネルギーが発電機によって電気エネルギーになるという流れで発電します。
つまり、汽力発電には火と水と電気、それぞれの流れの組み合わせで発電するということです。
これらの発電の全体の流れは下記の図で表せます。
熱エネルギーは火の流れで発生するエネルギーで、燃料からボイラまでの設備が含まれます。
機械エネルギーは蒸気がタービンで仕事をするエネルギーで、蒸気が通る設備、ボイラ、タービン、復水器が含まれます。
電気エネルギーは、タービンによって回転した発電機からの電力が送電設備に行く電気の流れです。
図からもわかる通り、汽力発電で重要なのは蒸気のサイクルです。このサイクルをランキンサイクルと言いますが、これについてはは別項で取り上げるのでそちらをご覧ください。
ここで、もう少し水と蒸気の流れの基本について説明します。
ボイラに水が入り、飽和温度まで熱を加えて飽和蒸気を発生させます。この段階ではまだ水分が残った湿り蒸気です。
飽和蒸気は過熱器で完全に水分が蒸発した乾き蒸気となり、さらに加熱されて飽和温度を超えた状態の過熱蒸気になります。
このような蒸気の流れと用語は覚えておいてください。
さらに詳細な仕組みやボイラやタービンといった主要な設備についても別項で詳しく取り上げています。
日本の発電所の8割は火力発電です。
その中のメインとなっていのが汽力発電ですから、概要や仕組みをしっかり覚えるようにしましょう。

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