
汽力発電では、燃料が持つエネルギーを効率よく電力に変えることが課題の一つになります。
そこで重要なのが効率です。本項では汽力発電の効率について取り上げましょう。
効率とは、使った力に対して得られた力の比率といえます。汽力発電の場合、燃料の持つエネルギーがどれだけ送電する電力になったかということです。
燃料の燃焼から送電までの間には幾つもエネルギーの変換がされており、その都度効率が落ちてしまいます。
そこでエネルギーの無駄をできる限り少なくするため、下記のエネルギーの変換箇所ごとでの効率を把握することがポイントになります。
- ボイラ効率
- タービン室効率
- 発電機効率
さらに使用した燃料の保有熱量の何パーセントが電力量になったかを求めるために下記の効率も重要です。
- 発電端熱効率
- 送電端熱効率
- 熱消費率
では各効率について説明していきましょう。
ボイラ効率は、下記の式で求めます。
ボイラ効率は、燃料の保有熱量の何%をタービンに送ることができるかを表します。
この式に出てくる、上記の保有熱量はエンタルピーとも呼ばれ、物質に加えられた熱量とその物質が持っていた内部エネルギーの合計のことです。
タービン室効率は、下記の式で求めます。
タービン室効率は、ボイラで発生した上記の熱量の何パーセントがタービンの出力となったかを表します。
別にタービン効率もあり、こちらはタービンで消費した熱量の何パーセントがタービンの出力となったかを表します。
発電機効率は、下記の式で求めます。
発電機効率はタービン出力の何%を電力に変換できるかを表します。
発電端熱効率は、下記の式で求めます。
これは、消費した燃料の熱量の何%が電力量に変換されたかを表しています。
送電端熱効率は、発生した電力量から発電所ないで消費した電力量を差し引いた熱効率です。
熱消費率は、1kWhの電力量を発生させるのに必要な燃料(kg)を表すものです。
汽力発電の効率は、試験対策はもちろん、電気に関わるなら覚えておきたいポイントになります。
各効率が何を求めているのかしっかり覚えておくようにしましょう。
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