
今回は検査方法について解説します。
工業製品が生産工程の最後に製品の検査を行っているのと同じく、電気工事においても竣工検査があります。これは電気工作物が設計通りに正しく施工されているか、また安全に動作・使用できるかを確認するための重要な工程です。
また、定期検査や臨時検査もありますので、それらについても見ていきましょう。
検査に使用されている測定器の名称と用途
解説の後に練習問題と解き方を掲載していますので、しっかり勉強していきましょう。
電気工作物を新設・増設したときに行う竣工検査
竣工検査(しゅんこうけんさ)とは、電気工作物が新設・増設または変更の工事が完成したときに、電気設備技術基準に適合しているか、電気工作物を使用する前に行う検査です。
また、点検できない隠ぺい場所やコンクリートなどに埋め込んでしまう場所については、工事の途中で行う中間検査があります。
電気設備の点検
配線図のとおりに工事ができているかを目で見て確認をします。
配線器具や照明器具などの取り付け位置や方法、各種工事方法が電気設備技術基準に適合しているか、また電線その他の材料が電気用品安全法に定められた電気用品が使用されているかを検査します。測定器を使用せず、目視にて点検を行います。
絶縁抵抗測定試験
絶縁抵抗計(メガー)
配線や器具の絶縁が悪いと漏電や感電などの電気事故につながる恐れがあります。
このような危険を未然に防止するために絶縁抵抗を測定して電気を安全に使用できるかを検査します。
測定内容
- 電路と大地間の絶縁抵抗
- 電路の電線相互の絶縁抵抗
測定器には絶縁抵抗計(メガー)を使用します。
接地抵抗測定試験
接地抵抗計(アーステスタ)
電路に接続された電気機械器具の鉄製枠部分に電気が漏れたとき、安全に電気を大地に流すことができるように接続された接地工事の接地抵抗値を測定します。
接地抵抗値とは、大地と接地極との間の電気抵抗値のことです。
測定器は、接地抵抗計(アーステスタ)を用います。
導通試験
回路計(テスタ)
点検や測定試験では調べることがむずかしい配線の誤りや電線の損傷、電線の器具への接続不良などを検査、発見するのが導通試験です。
試験の方法は、分岐開閉器などで電線間を短絡しておいてコンセントなどの端子に抵抗測定レンジに合わせた回路計のテストリード棒を接続し、抵抗値がゼロになるかどうかを確認します。
測定器には、回路計(テスタ)を使用します。回路計は、直流電圧、直流電流、交流電圧、抵抗などが測定できます。
通電試験
相回転計
通電試験とは、供給されている電圧がきているか、配線や電気機器などが通電後安全に使用できるかを確認する試験です。
試験の方法は、照明器具、電気機器などはすべて取り付けておき開閉器を「入」の状態にして電圧の確認および各電気機器が正常に動作するかを調べます。
測定器には、電圧計、電流計、力率計、相回転計などがあります。電圧計は回路の線間電圧を、電流計は回路に流れる電流を、力率計は電気機器の力率を、相回転計は電動機の回転方向の確認を行うものです。
4年に1回行われる定期検査
定期検査とは、すでに使用している電気工作物がこれから使用していく上で、電気設備技術基準に適合し安全が保たれているかを定期的に行う検査です。
この検査は、電気事業法第57条より電気の供給者(電力会社)により、4年に1回以上行われます。
定期検査以外に行われる臨時検査
臨時検査とは、既に使用している電気工作物を定期検査以外に臨時に行う検査です。
電気工作物が、冠水や火災などによりそのままで継続して使用ができるかどうかを判断する場合に行われます。
試験に出題される問題を実際に解いてみよう
【例題】測定器の用途に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。記号で選び答えなさい。
イ、 クランプ形電流計で負荷電流を測定する。
ロ、 回路計で導通試験を行う。
ハ、 回転計で電動機の回転速度を測定する。
ニ、 検電器で三相交流の相順(相回転)を調べる。
【解説】
検電器は、電路に電気が流れているかを確認するときに使用するものです。
三相交流の相順(相回転)を調べるのに使用する測定器は、検相器(相回転計)です。
まとめ:電気工作物の検査で施工が正しいかどうかを確認
今回は検査方法について解説しました。電気工作物が設計どおりに施工されているか、また回路計や絶縁抵抗計などの測定器を用いて正常に動作・使用できるかどうかを確認する、重要な工程なのですね。
筆記試験の範囲に含まれるテーマですが、技能試験においても施工完了後に配線が正しいかどうかを確認が必要といえます。筆記の知識が技能に生かされるということですね。
毎日学習を継続して自信をつけましょう。

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