
接地工事はアース工事とも呼ばれていますが、絶縁と同じく人体や電気設備に損傷や破損、障害が起きないように安全のために行う工事です。
本項では、接地工事(A種・B種・C種・D種)の種類や特徴について取り上げます。
接地工事については「電気設備に関する技術基準を定める省令」第十条と第十一条で下記のように規定され施工の根拠となっています。
第十条(電気設備の接地)
電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。
第十一条(電気設備の接地の方法)
電気設備に接地を施す場合は、電流が安全かつ確実に大地に通ずることができるようにしなければならない。
安全のために行う接地工事にはA種・B種・C種・D種まで4種類あり、「電気設備の技術基準の解釈」の第十七条に接地工事の種類及び施設方法として記載があります。
この4種の接地工事の違いは、接地工事を施す機械器具や接地抵抗値、工事に使用する部材の種類によるものです。
接地を施す機械器具に関して大きく分類すると、A、C、D種の3つは電気機械器具の鉄台や外箱の接地、B種は変圧器の低圧側中性点の接地となります。
A〜D種の詳細について下記に記します。
A種接地工事は、高圧や特別高圧で使用する電気機械器具に対して施工する接地で詳細は下記の通りです。
B種接地工事は、変圧器の低圧側中性点の接地で特別高圧側若しくは高圧側と低圧側が混触した際に発生する電圧が高くなりすぎないために施工する接地です。
Igは、当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流です。(1線地絡電流の計算に関しては別項で取り上げます)
C種接地工事は、300Vを超える低圧の電路に接続している電気機械器具に対して行う接地です。
C種接地工事を施工する金属体と大地間の電気抵抗値が10Ω以下であれば、C種接地工事を施したとみなせます。また、0.5秒以内に地絡を検出して自動的に遮断できる時は、500Ω以下となります。
D種接地工事は、300Vを以下の低圧の電路に接続している電気機械器具に対して行う接地です。
D種接地工事を施工する金属体と大地間の電気抵抗値が100Ω以下であれば、D種接地工事を施したとみなせます。また、0.5秒以内に地絡を検出して自動的に遮断できる時は、500Ω以下となります。
接地工事は種類が4つあるので、その違いを明確にして覚えるようにしてください。
特に数値に関しては、各種間で同じ数値もあるので間違わないように気をつけましょう。

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