屋内幹線の許容電流設計について

第二種電気工事士合格講座、今回は屋内幹線の施設(幹線の許容電流設計)について解説します。実際の電気工作物では引込線から宅内に入り、分電盤より各部屋や需要場所へ分岐して配線されていますね。工事を設計する際、幹線や分岐回路ごとに必要な許容電流を算出し、電気工作物が安全に使用・運用できる施工が要求されます。

 

幹線の太さ
許容電流

 

ここでは配線の許容電流を求める計算と、過電流遮断器についてみていきましょう。

 

 

幹線の太さは許容電流で決まる

低圧屋内配線は、幹線分岐回路で構成されています。
幹線は屋内電路の主要部分であり、この部分の事故は停電範囲が広くなり電気使用に与える影響が大きくなります。

また幹線の各部分は、その部分を通じて供給される電気機器に定められた定格電流の合計以上の許容電流のある電線を使用します。
許容電流とは、電線の太さに対して安全を保ちながら使用できる電流値のことです。

次に、許容電流の求め方をみてみましょう。

 

 

許容電流の求め方

許容電流は電動機、電熱器など使用する負荷の合計より大きくします。

 

負荷に電動機が含まれない場合

各線の各部分ごとに、負荷の最大使用電流以上の許容電流を有する電線を使用し、幹線を太さ(許容電流)は、各負荷の定格電流の合計値より大きいものを使用します。

電線の許容電流 I0 は、

I0 IH1 + IH2 + IH3

 

負荷に電動機が含まれる場合

電動機(モーター)など始動電流が大きい負荷の定格電流の合計を IM 、電熱器などその他の負荷の定格電流の合計を IH とすると、電線の許容電流 I0 は次のように求めることができます。

 

IM IH   電動機が電熱器以下の場合

電線の許容電流 I0 は、

I0 H1 + H2 + IM

電線の太さは、「電熱機の定格電流+電動器の定格電流」の許容電流より大きくするということです。

 

I> IH   電動機が電熱器より大きい場合

IM ≦ 50〔A〕の場合は、

I0 ≧ 1.25( IM1 + IM2 )+ IH

電線の太さは、「電動機の定格電流の1.25倍+電熱器の定格電流」の許容電流より大きくするということです。

 

IM > 50〔A〕の場合は、

I0 ≧ 1.1( IM1 + IM2 ) + IH

電線の太さは、「電動機の定格電流の1.1倍+電熱器の定格電流」の許容電流より大きくするということです。

 

 

過電流遮断器の施設

配線に大きな電流が流れた時、電路を保護するために過電流遮断器を設けます。ここでは、過電流遮断器の定格電流と、過電流遮断器を省略できるケースをみていきます。

 

低圧幹線の過電流遮断器の定格電流

低圧幹線の過電流遮断器の定格電流は、次のように求めることができます。

 

電動機がない場合:IB I0

過電流遮断器の定格電流≦低圧幹線の許容電流 ということです。

 

電動機がある場合:IB ≦ 3IM + IH

過電流遮断器の定格電流≦電動機の定格電流の3倍+電熱器の定格電流 ということです。

 

過電流遮断器の省略

低圧分岐回路の過電流遮断器は、次の条件のときには省略することができます。

  • 分岐した電線の許容電流 IW が、その電線の電源側に接続する他の幹線を保護する過電流遮断器の定格電流 IB 55〔%〕以上の場合。
  • 分岐した電線の長さが8〔m〕以下であって、その許容電流 IW がその電線の電源側に接続する他の幹線を保護する過電流遮断器の定格電流 IB 35〔%〕以上の場合。
  • 分岐した電線の長さが3〔m〕以下であって、負荷側に電線を電線を接続しない場合。

 

 

試験に出題される問題を実際に解いてみよう

【例題】図のように三相電動機と三相電熱器が低圧屋内幹線に接続されている場合、幹線の太さを決める根拠となる電流の最小値〔A〕はいくらか。ただし、需要率は100〔%〕とする。

 

イ、90    ロ、96    ハ、105    ニ、112

 

【解説】
「電線の許容電流は、低圧幹線の各部分ごとに、その部分を通じて供給される電気使用機械器具の定格電流の合計値以上であること。」と定められています。

定格電流の合計は

電動機を含む負荷の回路
IM = 30+30=60〔A〕

電動機を含まない負荷の回路
IH = 15+15=30〔A〕

電動機の定格電流の合計が50〔A〕を超えるので、その定格電流の1.1倍

よって電流の最小値は、
I = 60×1.1+30
= 66+30
= 96〔A〕

 

正解:ロ

 

 

まとめ:電流の大きさに耐えられる電線の太さ

今回は屋内幹線の施設と幹線の許容電流設計について解説しました。屋内配線は幹線と分岐回路で構成されていて、配線の各部分で電流の大きさに耐えられる電線の太さが要求されているのですね。

許容電流の求め方はやや難しく感じられるかもしれませんが、上記の解説を2~3回ほど繰り返し読むと理解できるでしょう。

あとは練習問題を繰り返し解くことで本試験での対応力も上がります。毎日継続して自信をつけましょう。




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