
発電所から需要家へ電力を送る上で不可欠なのが変電所です。
変電所では、受電した電気の電圧を昇圧もしくは降圧する施設で、変電に必要ないくつもの設備で成り立っています。
本項では、変電所を理解するために変電所の概要を取り上げましょう。
発電所から需要家までは図のように幾つもの変電所を経由して電圧を徐々に下げています。
変電所の主な働きは変圧ですが、他にも送配電線の保護や電力潮流の調整などの電気の安全・安定供給の役割も担っています。
変電所は主に下の図のような設備で構成されています。
それぞれの設備の役割は下記の通りです。
主変圧器
変電所のメインの設備で、電圧の降圧・昇圧を行います。
遮断器
電力の送電・停止を行います。安全な送電のために必要な設備です。
保護継電器(保護リレー) 電路に異常が発生した際に、異常を検知し、遮断器に開放指令を出す設備です。停電範囲を最小限度に食い止めるために絶対的に必要な設備です。
断路器
送配電線や機器の点検時に、接続している設備を回路から切り離します。こちらも安全な送電のための設備です。
計器用変成器
主回路を流れる大きな電圧や電流を測定しやすい大きさまで変圧・変流します。
調相設備
負荷の変動に応じて力率を改善する設備で、電力用コンデンサ、分路リアクトル、調相器などがあります。
避雷器
送電線や変電所の設備を、雷などの異常電圧から保護する機器です。
変電所は高圧の電気を扱うため、各設備の間隔をあけて設置し大気絶縁の効果を上げておく必要がありました。
しかし、近年母線や遮断器、断路器、避雷器などを金属容器に収納して、六フッ化硫黄ガス(SF6ガス)を封入したガス絶縁開閉装置(Gass Insulation Switch:GIS)が主流になっています。
ガス絶縁開閉装置は小型で設置面積を小さくでき、天候の影響を受けないので信頼性が高いのが特徴です。
変電所とその設備は送配電を学ぶ上で不可欠な施設、設備です。
設備の詳細は別項で取り上げていきますが、本項で取り上げた変電所の全体像を把握しておくようにしましょう。
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