合成樹脂管工事とは

合成樹脂管とはどのようなものか、また合成樹脂管同士の接続や屈曲などの技術的なルール、接地の要否について詳しくみていきます。

合成樹脂管工事が可能な場所
合成樹脂管の接地工事

 

解説の後に練習問題と解き方を掲載していますので、しっかり勉強していきましょう。

 

合成樹脂管工事はすべての場所で施設できる

合成樹脂管工事は、すべての場所において施設することができます。

ただし、重量物の圧力や著しい衝撃を受ける可能性がある場所には施設することができません。また、コンクリート内の埋め込みは、重量物の圧力や著しい衝撃を受ける場所とはみなされません。

 

 

合成樹脂管は3種類ある

合成樹脂管には硬質ビニル電線管(VE管)合成樹脂可とう電線管(PF管)CD管の3種類があります。それぞれの特徴と用途をみてみましょう。

 

硬質ビニル電線管(VE管)

硬質ビニル電線管は、管の肉厚が2〔mm〕以上のものを使用します。ただし展開した場所または点検できる隠ぺい場所であって、乾燥した場所に接触防護措置を施す場合(使用電圧300〔V〕以下の場合に限る)は、管の厚さ1〔mm〕以上のものが使用できます。

 

合成樹脂製可とう電線管(PF管)

合成樹脂可とう管は、硬質ビニル管と同じようにすべての場所に施設できる可とう性のある電線管です。

 

CD管

CD管は、コンクリートに埋設するときに使用する可とう性のある電線管です。コンクリートに直接埋め込んで配線をする以外には施設することができません。

 

 

合成樹脂管工事に使用できる電線

合成樹脂管工事に使用できる電線は絶縁電線(600Vビニル絶縁電線(IV線))で、より線を使用します。(屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除く)

また、直径3.2〔mm〕以下の絶縁電線であれば単線を使用することもできます。

 

 

合成樹脂管工事の施工方法

ここでは、合成樹脂管工事で行われる電線の接続方法や支持方法、屈曲、接地など詳しい施工方法を解説します。

 

電線の接続

電線の接続は、必ずボックスの中で行います。合成樹脂管内では電線の接続を行うことができません。

 

合成樹脂管の支持方法

合成樹脂管はサドルなどを用いて造営材に固定し、支持点間の距離は1.5〔m〕以下にします。また、管相互あるいはボックスとの接続箇所からは0.3〔m〕以下で固定します。

 

合成樹脂管の屈曲

合成樹脂管を曲げるにはトーチランプを使用します。トーチランプの炎で管をあたため、管が変形しないように曲げます。

曲げ部分の内側の半径は、管内径の6倍以上になるようにします。

 

合成樹脂管相互の接続

合成樹脂管相互の接続にはカップリングを用います。カップリングへの差し込み深さは管の外径の1.2倍以上、接着剤を使用した場合は0.8倍以上にします。

 

合成樹脂管の接地条件

合成樹脂管は絶縁性が高いので接地工事をする必要がありませんが、一部の条件においては接地工事が必要になります。

 

接地工事が必要となる条件

  1. 低圧屋内配線の使用電圧が300〔V〕以下で、合成樹脂管を金属製のボックスまたは粉じん防爆型フレキシブルフィッチングに接続して使用するときは、ボックスにD種接地工事を施します。(乾燥した場所、対地電圧150〔V〕以下の場合において簡易接触防護措置を施すときは接地不要)
  2. 低圧屋内配線の使用電圧が300〔V〕を超える場合において、合成樹脂管を金属製のボックスまたは粉じん防爆型フレキシブルフィッチングに接続をして使用するときは、ボックスにC種接地工事を施します。(接触防護措置を施すときは、D種接地工事とすることができる)

 

 

試験に出題される問題を解いてみよう

【例題】硬質塩化ビニル電線管による合成樹脂管工事として、不適切なものは次のうちどれか。記号で選び答えなさい。

イ、 管相互およびボックスとの接続で、接着剤を使用したので管の差し込み深さを管の外径の0.5倍とした。

ロ、 管の直線部分はサドルを使用し、管を1〔m〕間隔で支持した。

ハ、 湿気の多い場所に施設した管とボックスとの接続箇所に、防湿装置を施した。

ニ、三相200〔V〕配線で、人が容易に触れるおそれがない場所に施設した管と接続する金属製プルボックスに、D種接地工事を施した。

 

【解説】

合成樹脂管工事において、管相互および管とボックスの接続は、管の差し込み深さを管の外径の1.2倍以上、接着剤を使用する場合は0.8倍以上にすることと定められています。「イ」の差し込み深さ0.5倍は不適切となります。

 

正解:イ

 

 

まとめ:硬質ビニル電線管を屈曲するにはトーチランプを使う

今回は合成樹脂管について解説しました。硬質ビニル電線管を屈曲するにはトーチランプを用い、曲げの内側の半径は管の内径の6倍以上にするのですね。また、造営材に固定したときの支持点間の距離は1.5〔m〕以下ということも覚えておきましょう。

筆記試験の学習のコツは、解説を読み理解することと、練習問題を解くことを並行して進めることです。毎日継続して自信をつけましょう。

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