
第二種電気工事士合格講座、今回は分岐回路の施設(過電流遮断器の容量と分岐回路の許容電流設計)について解説します。屋内配線は幹線から各機器に向けて分岐していますが、その中で設置される過電流遮断器の容量と分岐回路の許容電流について、規定に沿った施工が求められます。
電線の最小の太さと受け口の種類
試験に出題される問題の解き方もあわせて紹介しますので、みていきましょう。
分岐回路に用いる電線の太さ
すべての電気機器は、分岐回路で使用しなければなりません。分岐回路は接続される電気機器によっていくつかの種類があり、それぞれ過電流遮断器の容量や回路に使用される電線の太さ、コンセントなど、配線器具の容量が定められています。
電灯、その他一般電気機器を使用する50〔A〕以下の分岐回路は、次に示す分岐回路の種類の中から、電気機器の定格電流またはコンセント、ソケットなどの定格に応じて選定します。
分岐回路と過電流遮断器の種類
低圧幹線との分岐点から電線の長さが3〔m〕以下の箇所に、過電流遮断器を施設することが規定されています。ただし、分岐点回路上に設置する位置は分岐線の許容電流の大きさによって制限されます。
- 分岐線許容電流 IW が電線の遮断器の定格電流 IB の0.55倍以上のとき、電線の過電流遮断器の設置場所は制限がありません。
- 分岐線許容電流 IW が電線の遮断器の定格電流 IB の0.55倍未満のとき、電線の過電流遮断器の設置場所は分岐点から8〔m〕以下とされています。
- 分岐線許容電流 IW が電線の遮断器の定格電流 IB の0.35倍未満のとき、電線の過電流遮断器の設置場所は分岐点から3〔m〕以下とされています。
分岐回路の回路数
分岐回路の数は負荷設備の容量により決められ、電圧が100〔V〕で、15〔A〕の分岐回路または20〔A〕の配線用遮断器分岐回路の最小必要回路数は次のようになります。
または、
ただし、小数点以下は切り上げた整数にします。(1〔Kw〕以上の機器がある場合は、その数を上記の回路に加えます。)
また、余裕率とは、1分岐回路の容量を分岐回路定格容量の何〔%〕にするかを表す数字です。
試験に出題される問題を実際に解いてみよう
【例題】低圧屋内配線の分岐回路の設計で、配線用遮断器の定格電流とコンセントの組み合わせとして、不適切なものは次のうちどれか。
【解説】
30〔A〕配線用遮断器は、20〔A〕以上30〔A〕以下のコンセントを使用することになっています。
したがって、不適切なものは「イ」となります。
まとめ:分岐回路の種類によって電線・コンセントを選ぶ
今回は分岐回路の施設について解説しました。分岐回路の種類ごとに、適応する電線やコンセントを選び施工するのですね。第二種電気工事士試験の範囲に含まれていますので勉強するのはもちろんのこと、実際の工事でも必要とされる知識です。繰り返し読んで理解を深めましょう。

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