
直流回路の電圧・電流・抵抗を求める場合、オームの法則とキルヒホッフの法則を使えば解くことができます。
しかし回路が複雑な場合、当てはまる定理があるなら比較的簡単に計算ができ便利です。本項ではミルマンの定理について説明します。
ミルマンの定理とは、下図のような複数の電源と抵抗が並列に接続された回路で端子電圧を求めるときに活用できる定理です。
この定理ではコンダクタンスG(抵抗の逆数:電気の通り易さ)を用いますが、あとはオームの法則を理解していれば大丈夫です。
まず、各回路のコンダクタンスを求めて、すべて足します。
次に、各回路毎の電流を求めます。
これらをオームの法則に当てはめて、端子電圧を計算します。
式の中にある「Σ(シグマ)」は「総和記号」と呼ばれシグマの下にあるiに1からn(シグマ上部)までを代入したすべての和を求める記号です。
例えば、nが3の場合は並列回路が3つあるということになり下記のように表します。
続いて実際の使い方について簡単な例を挙げておきます。
まず回路数が少ない場合です。
この場合、上記の式に当てはめるより、計算方法を覚えておいたほうが早いでしょう。
例えば並列回路が2つの場合は下記のような図と式になります。
中には電源が逆向きの回路が含まれる場合もあります。
その場合は、電源が逆向きとなっている回路の電流(式の分子部分)に負の符号をつけて計算し、下記のような図と式になります。
複雑な並列回路の端子電圧を求める場合でも、ミルマンの定理を使えば比較的簡単に値を求められます。今回説明した簡単な解き方を暗記しておくのも良い方法です。
試験ではミルマンの定理を使って解くことを指定する問題もあります。
定理の理論はしっかり覚えておくようにしましょう。
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