ボイラの種類や特徴について

ボイラは高温高圧の蒸気を作る装置で、汽力発電のカギとなる装置の一つです。
本項では、ボイラの種類や特徴、構造について取り上げ、汽力発電について理解を深めましょう。

発電に利用されるボイラは主に以下の3つの種類があります。

  • 自然循環ボイラ
  • 強制循環ボイラ
  • 貫流ボイラ

自然循環ボイラと強制循環ボイラはドラム型ボイラの種類です。

それぞれのボイラについて説明しましょう。
自然循環ボイラ

ポンプなどの動力を使わず、ドラムに溜めた水と蒸気の密度差を利用して蒸発管に自然に水を循環させる仕組みのボイラです。
自然の圧力を利用するので、配管は太めのものが使用されています。

強制循環ボイラ

構成は自然循環ボイラと似ていますが、循環ポンプを利用して水を強制的に循環させる仕組みです。
自然循環ボイラと比較すると、細い管を使用でき循環水も少なくて済むので小型にできます。

貫流ボイラ

こちらはドラムがなく、管の水に熱で臨界圧力まで高い圧力を加えます。そうすると水と蒸気の混じった状態はなく、一気に乾き蒸気が作られてその蒸気でタービンを回す仕組みになっています。
ドラム型のような設備がなくて済むので、3種類のボイラの中では最も小型化でき、蒸気の派生までの時間短いのがメリットです。

ボイラを構成する基本的な装置や設備は次の通りです。

  • 火炉
  • ドラム
  • 加熱器
  • 再熱器
  • 節炭器
  • 空気予熱器
  • 集塵器

一つずつ説明していきます。
火炉
燃料を燃焼させて高温の燃焼ガスを発生させます。ボイラで水に熱を加える重要な設備です。

ドラム
給水を蒸発管に送って循環させ、蒸気をタービンに送ります。貫流ボイラには設置されていません。

加熱器
乾き蒸気をさらに加熱して、高温高圧の蒸気を作り出します。

再熱器
タービンから出た蒸気を再び加熱して再びタービンに送ります。再熱器のあるサイクルを再熱サイクルと呼びます。

節炭器
ボイラから出るガスの熱量を利用して給水を予熱し、燃料を節約する装置です。

空気予熱器
ボイラから出されるガスの熱量を利用して火炉に送る空気を予熱する装置です。

集塵器
排気されるガスに含まれる塵埃を外部に排出する前に取り除く装置です。

ボイラは、高圧高温の蒸気や燃焼ガスが使用される設備なので、管理のためには国家資格が必要なほどです。
主任技術者が直接管理することがない設備ですが、汽力発電の仕組みにおいては特に重要な設備なので本項で取り上げた点は覚えておくようにしましょう。



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