
電熱を応用している身近かつ広く使われている技術にヒートポンプがあります。
省エネの面から見ても優れていて主任技術者も原理は理解しておくべきです。
本項では、ヒートポンプの原理と計算問題で必須の成績係数について取り上げます。
あるエネルギーを別のエネルギーに変換すると通常はロスが生じ、変換効率が100%になることはほとんどありません。
しかし、ヒートポンプは運転のための電気エネルギーに加えて、気化熱や凝縮熱などの空気中の熱エネルギーも利用するので、運転に使用した電気エネルギーの100%以上の熱エネルギーを得られる高効率な技術です。
下の図をご覧ください。ヒートポンプの原理を簡単に表した図です。
上図をエアコンを冷房運転している場合として説明します。
まず、管内の冷媒が圧縮され冷やされて室内に入ります。そして室内の温かな空気と熱交換をして冷気を出し、冷媒は温められて室外機に向かいます。
温められた冷媒は室外の圧縮機で圧縮され高温になります。そして室外の熱交換器で熱交換を行い、膨張弁で冷媒を膨張させると温度が下がり冷たい冷媒が再び室内に送られるのです。
暖房の場合は、冷媒の流れを逆にします。
これが1サイクルとなり、このサイクルを繰り返すのがヒートポンプの原理です。
このヒートポンプに関連して、成績係数を使った計算問題が出されることもあるので説明しておきます。
成績係数(COP)とは、ヒートポンプの効率を示す指標で運転のために消費した電力量に対して得られた熱エネルギー量で表します。
暖房時に1を足すのは、圧縮機の運転に使った電気エネルギーで発生する熱エネルギーが室内を温めるためにも使用されるためです。
ヒートポンプは一つの技術ですが、電熱分野を応用した技術としては引き続き主流となるものです。試験だけでなく実務でも必要な技術なので原理と成績係数(COP)の計算はできるようにしておきましょう。

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