
ゼーベック効果・ペルチェ効果・トムソン効果は、それぞれ熱電変換の電気現象です。
先の2つについては別項で説明しているので、本項ではトムソン効果について説明します。
トムソン効果は、加熱によって温度差が発生した金属に電流を流すと、+側が放熱・ー側が吸熱を生じさせる現象です。
ジュール熱に似ています。しかし、トムソン効果は温度差の勾配と電流の方向によって放熱・吸熱の場所も変わる点が異なっていますので、混同しないようにしましょう。
トムソン効果によって発生する単位体積あたりの熱量qの求め方を説明します。
関係するのは、物質の電気抵抗率ρ・電流密度J・温度勾配ΔT・トムソン係数θです。
この式でρJ2はジュール熱なので向きに変わりはないですが、ー(マイナス)以降のJは向きが逆になると符号が変わってきます。
また、同じ熱電変換に関係するペルチェ効果と比較すると、効果が非常に小さいです。
これは知識として覚えておいてください。
トムソン効果は、あまり実用化されていません。しかし試験では、ゼーベック効果・ペルチェ効果と比較して効果の違いなどを問う設問が出題されることがあります。
名前はもちろん、それぞれの電気現象の効果や式は必ず覚えておきましょう。
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