
火力発電には、汽力発電以外にも、ディーゼル発電やガスタービン発電があり総じて内燃力発電といいます。
本項では、ディーゼル発電とガスタービン発電を説明しましょう。
ディーゼル発電
発電機の動力としてディーゼルエンジンを利用した発電方式です。
運転やメンテナンスが比較的簡単というメリットがあります。
ボイラが不要なので、建設コストが安く済むのもメリットです。
とはいえ、大きな電力を作るのにはあまり適していないので使用されるのは、離島やビル工場などの自家用発電や非常用発電になります。
ガスタービン発電
ガスタービン発電は、圧縮した空気を燃焼機で高温・高圧の燃焼ガスを作り、タービンを回転させる発電方式です。
タービンが小型で運転開始と停止が行いやすく建設費が安いというのがメリットといえるでしょう。
ガスタービン発電は、圧縮する空気をどこから取るかによって2つの種類があります。
オープンサイクルガスタービンは大気から取り込んだ空気を圧縮する方式で、クローズドサイクルガスタービンはタービンの排気を循環させる方式です。
オープンサイクルガスタービン
クローズドサイクルガスタービン
ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせた2重発電方式があり、コンバインドサイクル発電といいます。
この方式では、燃焼用空気にガスタービンの排熱を使用し、圧縮機で圧縮してから燃焼機で熱してガスタービンに送ります。その後、排熱回収ボイラで蒸気をつくり、蒸気タービンを動かして発電します。
同じ出力のガスタービン発電や汽力発電と比較すると、熱効率が高いことと、二酸化炭素の排出量が少ないことがメリットです。
二酸化炭素の排出量削減が世界的に重視されているので、開発が推し進められている発電方式です。
構造は複雑ですが、小型の発電機をいくつも合わせて大きな電力を作れることと起動や停止が簡単なことにも保守管理上の大きなメリットでしょう。
ディーゼル発電は非常用発電機として使用されることが多いので、主任技術者が業務で扱うことも多いです。実務につく方はさらに詳細を勉強することをお勧めします。
コンバインドサイクル発電は近年注目されている方式なので、試験で出題されることもあります。
2つの内燃力発電とともに覚えておくようにしましょう。
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